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近代セールス連載(2009年1月1日号)(1/2)

 雑誌『近代セールス』における、弊社会長坂本桂一の連載をご紹介いたします。
※近代セールス社の了解を得て、一部の回をWebで全文公開しています

連載「成功企業・ブレイクスルーの瞬間」

   ビジネスの世界では、市場を一変するような際立った成功が起きることがある。 それらの成功は偶然の所産ではなく、その結果を左右した決断の瞬間が存在する。 場合によっては本人の意図と反した結果を招き、それが未来を大きく変えたというケースもあるが…。
   本連載では、そうした稀有な成功を成し遂げた企業等に関して、 その分岐点となった「ブレイクスルー」の瞬間を紹介していく。

〈第1回・ソフトバンク〉

ビジネスの原理に気づき常に儲かり続ける仕組みを作る

 

現在、携帯電話ビジネスを始めとし、情報通信産業における一大企業グループをなしている同社だが、そのビジネスの出発点はパソコンソフトウェア流通ビジネスの成功によるものであった。


●未来はソフトウェアが変える。それを担うのは私たちだ●

今日、日本においてコンピュータ、インターネットなど情報通信関連の産業は隆盛を極め、コンピュータは一人1台から、企業ユースを考えれば一人複数台といった時代となっている。

 

しかし、ほんの30年ほど前まで、コンピュータはサイズも巨大で価格も極端に高く、一部の大学の研究室や、大企業などしか持てないものだった。そんな状況を変えたのは70年代半ばに米国のMITSという会社が発売した、Altair8800というコンピュータだと思う。Altair8800の発売は革命的事件だった。今日、ITの巨人といわれている人々は、当時まだみな無名の10代であり、Altair8800の洗礼を受けることとなった。

 

ビルゲイツ、ポールアレンが創業したマイクロソフトも、Altair8800用のBASICを書いたことが事業の立ち上がりだったといえる。これが現在巨大産業となっている、パソコン用ソフトウェアの事実上の第1号だったのではないだろうか。


国内では、秋葉原にあったアスターインターナショナルというコンピュータショップに、後にアスキーを作る西和彦氏、郡司明郎氏、後にインプレス創業者となる塚本慶一郎氏、アスキー立ち上げに参加し、後にマイクロソフトのボードメンバーとなる古川亨氏などが常連として出入りし、コンピュータが拓く未来への熱い思いを語り合った。

 

Altair8800以降、米国シリコンバレーではコンピュータの時代が始まる。当初、メモリーが極めて少なく、マシン語しか受け付けなかったパソコンも、徐々により多くのメモリーを搭載し、簡単なゲームや、ソフトウェアを動かすことができるようになる。そうした流れは、その後のソフトウェアの時代を十分に予感させた。

 

そして、後に日本のITビジネスの中心となる人物はみな、ムーブメントの震源地であるシリコンバレーと東京を行き来し始める。前述のアスキー関係のメンバーや、筆者もその一人である。シリコンバレーでは、夜は宿も取らずに米国の起業家たちとコンピュータの未来について議論しあう姿があちこちで見受けられた。

 

私たちは、コンピュータ革命の中心はハードではなくソフトウェアであり、未来はソフトウェアが変える、そして、その担い手は自分たちである、ということを確信していた。この後、多くのソフトベンダーが創業し、革命の担い手を目指していく。筆者が創業したサムシンググッドもそのひとつである。

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